今年の銀杏並木の紅葉は…

介護事業の話

今年も、デイサービスのご利用者様と
日吉慶応大学内の銀杏並木紅葉の中を歩いてきた。

何とも言えない黄金に色づいた銀杏並木に青空が映える。
ご利用者様も、何度も上を見上げて
「綺麗ねぇ。」「今年も来れて良かった。」と。

介護保険の上では「屋外歩行訓練」という名目で実施される。
目的は個々に設定され、下肢筋力を鍛えるためだったり
意欲の向上だったり、見当識を養うためだったりする。
かつて心身機能が衰えたご利用者様を外に連れ出し
通りがかったお宅の玄関先のアマリリスの花を見つけて
これまでになくお顔が輝いた事を思い出す。
その頃から急激にお元気になられていった。

認知症の方は、戻られて水分補給をされている時には
「え?そんなところに誰が行ってきたの?」という事もあるが
それでも、五感で愛でた銀杏並木紅葉の残像は
お気持ちの中に残っておられる。と、思う。

皆で一緒に、綺麗を愛でる。
風を感じて、人の流れに目をやり、自分もその一員と自覚する。
1日を一緒に楽しむ。喜ぶ。味わう。笑う。
そんな当たり前のことが、私達もご利用者様も
気持ち穏やかに過ごせる秘訣なのかなぁと思いながら
今年も紅葉を愛でるイベントが終わった。

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